戦後廃れていた砥部焼のデザインに
「唐草の文様」と,考え抜かれた「器の造形」で
復興の大きな一端を担った工藤省二の図案集。
砥部焼といえば「唐草の文様」とイメージ付けられるまでになったが,
そのオリジナルデザイナーである本人の著書,ましてや図案集はなかった。
この「唐草」はどこから着想されたのか,どのように生まれたのか垣間見ることができる。
私個人の祖父でもあり,大変貴重な共同プロジェクトとなった。
さらに書体には,伊藤親雄さんの「陰翳書体」を寛大にもご好意で使用させて頂いた。
人が使う器のことをひたすら思って作られた図案と,
人にのぞみを持ってほしいという動機で作られた書体は
どちらも本当に美しい佇まいを持っている。